家賃滞納などの理由で賃貸の退去(強制退去)を求められている方へ

今回はタイトルの通り、「家賃滞納などが原因で賃貸の退去を求められている方」を対象とした更新です。

 

家賃滞納が原因で解約を迫られてお困りの方。

まずは紙を用意して以下の点について自分の状況をまとめてみてください。

 

・滞納月数と支払状況

 (滞納1ヶ月だが分納にて収めている、滞納3ヶ月など)

 

※当たり前のことですが、家賃は必ず払わなくてはいけない固定費です。

ですがこのご時世、どうしても収入が不安定になったりして支払の目処が立たなくなることもあります。

解約を迫られる原因を作ったのは間違いなく自分だということを忘れないで下さいね。

 

☆重要☆

 

滞納が3ヶ月未満の方(支払意思と計画がある方)はいくら退去を迫られても、直ぐにサインをして路頭に迷う必要はありません。

 

以下の流れを厳守し、対応すれば任意の解約に応じる必要はありません。

また家主から求める強制解約には条件がありますが、その条件にも当てはまらないので強制解約を迫られる根拠もありません。

 

~流れ~

家賃を滞納した場合、まずは電話による催促が行われます。

 

この電話催促、決して逃げずに対応してください。

今逃げている方は絶対に連絡すること。

逃げ得はありません。損をするだけです。

負い目はあるかもしれませんがまず約束を破ったのはあなた、しっかりと対応しましょう。

 

催促を受けて即時全額支払えるのならそれで良し、ですがこのエントリーをご覧になっている方は払えない方がほとんどだと思います。

その場合には電話口で以下の点についてしっかり主張してください。

 

☆電話で主張すること☆・支払いが滞った事情の説明

・滞納額を少しづつ分納し、支払いの意思を表明する。(月に3000円からでも構いません、通常の家賃に合わせて支払ってください)

 

たったこれだけです。

大切なのは「支払いの意志があり」、「支払の計画を立てている」ことをしっかりと主張することです。

 

話のわかる大家の場合はこれで一先ず受け入れてくれるでしょう。

受け入れてもらったら、滞納回復に努めてしっかりと毎月遅れずに入金していきましょう。

 

問題は話の通じない大家さんの場合です。

支払の計画を伝え、意思を表明しているにもかかわらず退去を迫られることがあります。

 

通常、賃貸契約の強制解除は正当な事由がなければ認められません。

滞納が長期間ではなく、支払いの意志が表明されている場合(もしくは実行されている場合)は強制解約の正当な事由を「満たしません」

 

そもそも強制解約を求めるには裁判を起こし勝訴する必要があり、大家からの一方的な通告のみでは解約実行は不可能なのです。

 

大家は当然その辺りの法律を熟知しています。

だから強制解約という表現を避け、「解約の同意書にサインしてもらう」などの提案をしてきます。

解約の同意書にサインを貰うことができれば、強制解約ではなくなりますから、裁判の費用も手間も省けて一石二鳥なのです。

 

ここからが重要です。

同意書へのサインを求められたとしても「サインする義務はありません」

☆例え賃貸契約書に「2ヶ月の滞納で強制解約」などと書かれていても従う義務はありません。

民法90条に「公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする。 (wikipediaより)」としっかりと定められている通り、正当な事由と認められるべき事実がない限り解約を強制することはできません。

こういった特約を根拠とした退去への同意を求められた場合にはしっかりと拒否しましょう。

 

悪質な大家は必死です。

しっかり拒否しても「収入的にここに住むのは無理じゃないか、誠意を見せてくれ、社会の常識がなんたらかんたら」と法律外の自分ルールや勝手な推測を押し付けられるかもしれません。

 

その場合にはしっかりと「あなたは(この会社は)法律よりも自分のルールを優先するのですか。」と問いただしましょう。

 

世間の常識なんて言うものにしっかりとした基準はありません。

大家の言う常識は大家の常識です。

人の常識が違う社会、その中で起こる様々な問題を解決するために法は存在しているのです。

自分ルール、法律を超えたルールが世の中で運営されれば社会秩序は乱れ、単純に立場の強いものの主張だけが認められる社会になってしまいます。

 

それでも解約について言われるのなら、しっかりと内容証明便などを利用していただき解約の根拠などを述べていただきましょう。

 

何度も言いますが、滞納している状態が揉め事のそもそもの原因です。

しっかりと意思表示をした後は、返済に向けてシャキシャキ働きましょうね。

 

以上が裁判を通さずに行われる不当な退去、解約要求に対する対処法です。

 

ただし!

・今後家賃を支払う意志がない

・そもそも今後継続して家賃を払い続ける収入がない、またその状態を解消しようと努力をしていない

 

以上の人は別の手段が必要です。

家賃を支払う意思がない方はそのうち裁判を通して本当に追い出されます。

収入もなく、見込みもない方は各都道府県の保健福祉局に直ぐ相談してください。