誰も教えてくれない世界の真実、教えます。

随分と更新間隔が空いてしまいました。

なるべくわかりやすく世の中から外れていく人間の思考をお届けする当ブログ。

今回のテーマはズバリ「おばけなんてないさ」です。

 

みなさんはお化けって信じていますか。

妖怪でも怪物でもなんでも構いません。

夜道を歩いている時にふと「お化けが出たらどうしよう」なんて考えてしまうタイプの人でしょうか。

もし信じているのなら何を根拠に「お化けはいる」と信じているのでしょうか。

もし信じていないのなら何を根拠に「お化けは存在しない」と信じているのでしょうか。

 

私はお化けを信用していない側の人間です。

いないと断言はしません。

それは証明できないことですからね。

いることもいないことも「証明」できないから「語らない」、ってか意味が無いから語らない。

こんな感じの仏教的(無記)選択肢もありましたね。

 

話は少し戻って。

私はお化けの存在を信じていません。

人前でこんなことを言うと意地の悪い人が「信じていないなら真夜中の心霊スポットに行ってくれよ」と言ってくるかもしれません。

この「じゃあ心霊スポットにいけ」という提案は少し考えればかなり論点のずれた話だとわかるのですが、未だに口にする人もいます。

 

お化けを信じていない私でも真夜中の心霊スポットは怖いです。

それはお化けが怖いのではなく、暗闇で人気のない場所というのが怖いのです。

これは多くの人間が感じる本能的恐怖心ですね。

故にお化けの存在を最初から前提として恐怖心の理由に組み込んでいるような先ほどの問は全く論点のずれたものとなるのです。

 

そもそもなぜ存在を証明できない「お化け」という概念が生まれたのでしょうか。

この証明できない概念の誕生を理解するには「人間」がもつ習性を浮き彫りにする必要があります。

簡易にはなりますが存在しない概念の誕生過程を以下に記してみようと思います。

 

人間には様々な欲が存在します。

食欲、性欲、睡眠欲、これらの有名な三大欲求は生命活動の維持を目的とした誰もが持つ根源的欲求です。

根源的欲求には他にもカテゴリーが存在することを皆さんは御存知でしょうか。

それは「安全保持の欲求」と呼ばれています。

安全保持の欲求とは「苦痛の回避、防衛」に関する我々が持つ根源的欲求です。

この欲求は人類の発展のためには欠かせない大切なモノでした。(もちろん今でも大切ですね)

 

人が生物として繁栄していくためには生命の維持だけではなく、様々な環境に適応することが必要となりました。

厳しい寒さ、蒸発してしまいそうな暑さ、獰猛な外敵、そのどれもが原始人類を悩ませる天敵たちでした。

進化の過程で言語による概念創造力を手に入れた我々の祖先はどんどん身の回りの問題を形あるものとし、その対処法を生み出すことで環境に適応する術を得ました。

夜間の寒さは火でしのぎ、太陽光線の暑さは日陰を作ることでしのぎ、獰猛な外敵には武器を持って対処しました。

 

どんどん発展を続ける人類にやがて大きな壁が立ちはだかります。

それは今も私達を縄ませ続ける生、老、病、死。

「理解できない概念」の登場です。

彼らは人が老化するシステムを説明する知識を持っていませんでしたし、多くの病気がウイルスのせいであることも知りませんでした。

科学技術が発展していないのですから当たり前のことですね。

 

しかし我々の祖先はそれを「当たり前のこと」で済ますことができませんでした。

ここで我々が持つ「安全保持の欲求」が動き出します。

祖先にとって「理解できない」ということは「対処法が存在しない」ということでした。

対処法が存在しないことには「苦痛の回避と防衛」が実行できず、安全保持の欲求が満たされないことになってしまいます。

そうなると人は「欲求が満たされない」という「不快の状態」を続けることを避けようとします。

そこで我々の祖先は安全保持の欲求を満たすために「理解できない」ことに対し「無理やり原因を作る」という合理化を始めたのです。

この合理化こそが人類史上最初の神秘主義となりました。

 

多くの文明が「病」の理由に「呪い」という概念を当てはめ合理化しました。

「病」の原因を仮初でも「呪い」だとすれば「解呪」という対処法が生まれるのです。

対処法が生まれればひとまず安全保持の欲求は満たされることとなりました。

「生と死」に対してはどうでしょう。

死ねばどうなるのか、なぜ生まれてくるのか、これは我々が言語を獲得したその瞬間から現在まで続く不変のテーマです。

死を想像するとき、我々は恐怖心をいだきます。

この恐怖心を少しでも和らげるためにはやはり「合理化」することによって「証明できない概念」をつくり上げるしかないのです。

そうして作り上げられたのが死後の世界、輪廻転生という概念です。

 

やがて「理解できない世界(人生)観」に対する「合理化のキャップ」はどんどんと広がり、我々の祖先は風土に根ざした独自の世界観を持つようになりました。

こうして今日でも多大なる影響力を持つ「宗教」が生まれることになりました。

 

ゼロから文明が築き上げられる以上、神秘主義の発生は必然でした。

我々全員が持つ欲求に根ざしているからこそ今日でも「神秘主義と宗教」は力を持ち続けているのです。

 

随分と話が飛躍したため忘れているかもしれませんが、本題はお化けの話でしたね。

お化けはなぜ生まれたのか。

ここまで読んでいただけたのならもうお分かりかもしれませんね。

あえて書きませんよ。

めんどくさくなったからではありません。はい。